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真っ白なまま たった一文字
紡ぐことさえ 出来なくなった
天文学的な 数字の海へ 潜る言葉は
銀河同士の 光にも似た
僕らの距離を 表すように
何万年も 何億年も 彼方にあって
空白のまま

生まれた日の 記憶のない 記録を時折 読み返して
積み重ねた 淡い日々を 落書きのようにして 綴ったけど

茫漠とした 草原の中を
目隠しをして 歩く夢みたい
君が残した 余白の日々を 照らす光なら
宇宙の果ての 空を覗いても
そこにはないだろう そのひとつひとつは
流星群と 同じ速さで すぐに消え去り
暗闇の中

何ページも 破いた 丸めた でも捨て去っても
いつだって 未来は モノトーンのままで 色などない
だから 思い出が 痛いよ

色眼鏡で見た 僕の世界を
君にもらった 虫眼鏡で見た
レンズ越しには 淡く綺麗な 世界が見えた
もしも願いが 叶わなくても
そこに見つけた 光の粒を
インクの染みで 汚れた空に 解き放つなら
星は瞬く

前を向くこと 前向きなこと
少し似ていて どこか違うんだね
白紙の底に 沈めた想いは 深い傷跡

幾千の時も 癒やしはしないだろう
書き損じても それが足跡だ
行間に眠る 静寂の声に 僕は学んだ
いつかどこかで 途切れた会話の
続きを閃く ことなんてないけど
遠く離れた 孤独な僕らの 段落を結ぶ
そんな一行が 空白であるなら 痛みとともに
先へ進むよ